東洋医学コラム
夏バテ


夏に健康の話となると何が何でも夏バテの話が出てきます。
でもそもそも「バテ」ってなんでしょう?
大辞林によると
バテる:《「疲れ果てる」の「果てる」から出て、もとスポーツ選手などの間で用いられていた語》
すっかり疲れてしまう。くたびれて動けなくなる。へたばる。
例「暑さつづきで―・てる」

だそうです。
では夏バテそのものはどう書かれているでしょう?これも引いてみました。
夏バテ:夏の暑さで疲れ、動作や思考力が鈍くなること。夏負け。
例「―して寝込む」

読んでるだけでぐったりしてきますがよく表されてると思います。

辞書を引いた感じではどうやらキーワードは「疲れる」です。
では何が疲れてしまって夏バテになるのかを東洋医学的に解説してみましょう。
専門用語のオンパレードはこの暑い最中に読みたくないと思うので取り敢えず
機械に置き換えてみます。

機械に置き換えると夏バテ→電池の充電が切れてよく動かない。
と言うことになります。
人体には電池のようにスタミナを貯め込んでおく機能があります。当然食べ物を使って
発電する充電器もついています。この充電器がデリケートで湿気・冷えを受けると簡単に
故障します。
高温多湿の我が国の夏は湿気がムンムンです。そして暑い日は冷たいビールジュース
最高にうまいです。クーラーも欠かせません。でもそれが充電器を損なってしまうわけです。
ざっくりまとめると
冷えと湿気で充電器故障
  ↓
充電出来ない
  ↓
電力不足でモーター(筋肉)やコンピューター(精神)が動作不良をおこす

これが夏バテ状態です。

この内容だと食べたものでしっかり発電して充電できればなんとかなりそうです。
そのためには胃腸を健やかにしなければいけません。
先ほど書いたように湿気と冷えが問題なのでそこをなんとかします。
冷えに関しては冷たいものを控える、クーラーを掛けすぎないなどあります。
やはり身体を温める食事は効果的です。冬瓜、生姜、ココア、ほうじ茶など
テレビでもあれこれ紹介されていますのでチャレンジしてみて下さい。

問題は湿気(水)です。
この時期暑いので汗はどうしても出てしまいます。脱水症状や熱中症も心配
ですから水分と塩分・ミネラルは補給しないといけません、となると水分は
充分に補充するがあまり冷たいものは飲まない
ことを意識しましょう。
ミネラル補給のために天然物の黒砂糖をひとかけらかじるのも夏バテで弱った
身体の滋養にもなるのでいいですよ。スポーツドリンクもなかなかいいのですが
甘ったるいので逆に喉が乾きます。粉末で売っているものを買ってきて説明書の
半分の粉で作ると飲みやすいです。ミネラルも結構摂取できるのでお試し下さい。

汗をかいたらマメに着替える事も大事です。汗でびっちょりの服を着ていたら次に
汗をかいても蒸発できないのでせっかくの発汗が放熱の役に立ちません。
何よりそのままクーラーに当たったらあっという間に冷えてしまいます。
予備のシャツを持って外出するのもいい手です。トイレとかで着替えるとスッキリします。
また最近の研究で肌がジトジトしているとその不快信号が自律神経を刺激して
内臓機能を鈍くしていると言うことが判ってきました。
エアコンは冷房ではなく除湿モードで使って物足りないときは扇風機で空気を回す
いいと思います。


勿論鍼灸は夏バテにもなかなかに効果的です
胃腸を健やかにするツボやスタミナを回復させるツボなどに鍼灸を行います。
早く元気になるためにお気軽に御連絡下さい。

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